ちょっとそこまで映画を観に行って

映画を観た感想・レビューを書きます。日常から少し離れて、でも気軽に観に行ける映画はいいもんです。

夏の映画鑑賞期間・第一弾『フラガール』

 

8月も末でして、夏も終わりに近づいています。最後に夏を満喫しようと“ザ・夏!映画”鑑賞期間中。その期間で観た映画について紹介しようと思います。

 

 

第一弾は『フラガール』(2006年、監督:李相日)です。ド直球の夏映画やぁ!とパッと思いつきで選んだのですが、これ夏の話じゃないんですよ。「フラダンス踊って楽しい映画~Aloha~♪」的なの想像してたら全然違いました。

 

 

昭和40年代、福島のいわき市。時代の影響で炭鉱の仕事が閉鎖に追い込まれかけた町が舞台です。この仕事に誇りを持っているけど、「私らの生活どうなっていくんやろうねぇ…」とどんより不安に覆われております。

 

 

そんな村の再起を試みようとハワイアンセンターという施設のプロジェクトを立ち上げる人たちが出てきます。新しい挑戦ですが、多くの村人たちから冷た~い目で見られてしまいます。

 

 

どちらにも転ばない感じでゆらゆら~ってしてる時に、純粋なひとりの少女が「ダンサーになりたい!」って方言まじりの情熱のこもった声で名乗りをあげます(フラダンスのショーもハワイアンセンターの目玉イベントでダンサーの募集をしていたのです)。東京からプロのダンサーの先生をお招きして、素人同然の集まってきた娘たちをしっかりしたダンサーに鍛えあげていくお話です。

 

 

スポ根映画ですか?はい、もちろん。ストーリーの筋からしても「そうです」って言わなあかんくらいですね。南海キャンディーズしずちゃんが演じてた小百合ちゃんは、先生厳しすぎて泣いて外を走りに出て行っちゃいますから。

 

 

ただ前述のとおり、この映画の空気感は炭鉱の村人たちの明日への不安です。名乗りをあげた子をはじめ、集まってきた女の子たちはそんな空気感に立ち向かい「未来を切り拓いていきたい!」という想いも背景にあります。

 

 

若い娘たちが未来を背負ってんだ、泣かせてくれるぜって親身になって観ていました。そんな彼女たちの渾身のフラダンスが美しくないはずがない!ダンスの熱気が渦巻くような迫力のシーンに仕上がっています。各ダンスシーン必見です。

 

 

何度もくどいようですが、それと同時に、炭鉱の仕事に誇りを持った村人たちの苦しみが痛いほど伝わってくる映画でもあります。30年勤めて紙キレ一枚で解雇かよ?!って腹立ちはもっともだけど、お父さん、娘に手をあげてはいけません。彼らの誇りが傷つけられるなかで、新しい波(=ハワイアンのプロジェクトね)を受け入れられない葛藤を丁寧に描いています。

 

 

フラダンスのダンサーになった彼女たちを先頭に、これからつくられていく新しい時代ってどんなんでしょかね?この映画でぜひ一緒に目撃しましょう。