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“一週間”という毎日(映画「Every Day」より)

 

 

同じ時間を一緒に過ごすことに期限があるのはつらい。

 

どちらかが死んで、どちらかが生き続けるようになるのは、普遍のことで、そのことを頭のなかで分かっている。

 

でも、何気ない日常は当たり前すぎるから、いつの間にか忘れてしまう。

 

 

「一週間もらったの」

さっき見舞ってきたはずの大切な愛する人、咲ちゃんは言う。

交通事故で鼻にチューブやら通された意識不明の状態ではなく、エプロン姿でいつもの笑顔で元気な咲ちゃんだ。「え、え、」って三井くんがうろたえるのも無理ないと思う。

 

 

月曜日の朝、こうして二人の一週間がはじまった。

 

 

失った、と気付いたときはじめて、一緒に過ごしてきた時間の大切さを思い知る。

もう一度取り戻せるなら、その時間を噛みしめるように大事に、大事にしよう。

 この映画における一週間とは、三井くんと咲ちゃんがそう感じるための猶予期間、

そしてサヨナラをするために与えられたものだ。

 

 

終わりがくると分かっているのに幸福な一日一日を過ごさせるのは残酷だ。

「私に一週間をくれた神様はいい神様じゃなかったみたい」と咲ちゃんも言ってる。

 

 

けれどこの一週間で気付くのだ。

毎朝つくってくれるお弁当。キッチンからカウンター越しに渡される料理やお茶。ニコニコした笑顔。そして「ただいま」のあとの「おかえり」。

 

たくさんありすぎて埋もれて見えなくなっていた、キラキラした宝物のひとつひとつを拾いあげていく。愛は目に見えないというけれど、何気ない毎日のそこらじゅうに散りばめられている。

 

 

Every Day。生きているかぎり、いつかは期限がやってくる。

この二人が過ごした一週間のように毎日を生きていきたい。

 

 

Every Day

2016/日/95分/TEDOYA TOGO/監督:手塚悟/出演:永野宗典山本真由美、倉田大輔、こいけけいこ、谷川昭一朗、山内健司

http://everyday-movie.jp/index.html